奈良は夏が良い・長谷寺推参
奈良のイメージは「秋」だと思うのは、柿食えば~の句の影響だろうか。
ただ、私の中では、観光客がわんさかと押し寄せる秋や春よりも、真夏の炎天下、蝉の声を聴きながらの古都巡礼の方が、「奈良」らしく感じる。
そんなわけで、晴天の休日、奈良・長谷寺を歩いた。
コロナ禍の影響で、観光客は少ないものの、思っていたより「人」が居た。
静かに心落ち着く場所を求めての訪問だろう。皆、口数少なく、古寺を味わっている雰囲気だった。
長谷寺といえば、この登廊(のぼりろう)。
仁王門から本堂に続く石段を、ゆるりゆるりと登っていく。
長谷寺は花の御寺でもあり、登廊に沿って植栽されている花を眺めて・・・と思ったのだが、このときは季節を過ぎた紫陽花がわずかに乾いた花をつけているのみだった。
長い石段を登りきると、鐘楼(尾上の鐘)・本堂にたどりつく。
本堂は断崖絶壁に建てられており、せり出した舞台からの眺めは壮観。
生命力あふれる緑が、視界に飛び込んでくる。
そして、振り向けば、奥には、ご本尊十一面観音菩薩立像。
帰りも同じように長い石段を下る。
門前には、名産の三輪そうめんや柿の葉寿司、奈良漬けなどを売る茶店・土産物店が続く細い通りがある。
ちょうど昼時だったので、茶店に入り三輪そうめんをいただいた。
蝉の声とに包まれた古寺推参、三輪そうめん、ああ、夏の奈良はいいなあ。
おしまい